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Gemini 4 Argon一般提供、3社のAIで何が違う?

2026年10月23日|いろは堂AI編集部
屋内でノートパソコンのキーボードを両手で操作する人物の手元、横にスマートフォンが置かれている様子

画像出典: 副業ガイド (ぱくたそ)

この記事の要点
Googleは2026年10月13日、Gemini 4 Argonを一般提供へ拡大しました。API料金は2026年11月30日までの導入価格で入力$2・出力$10(100万トークンあたり)と、同じく入力$10・出力$50のGPT-6 Astra・Claude Fable 5.1より低く設定されています。得意分野はGemini 4 Argonがソフトウェア開発と数学・科学、GPT-6 Astraがブラウザやアプリの自律操作、Claude Fable 5.1がコーディングとナレッジワークの長時間タスクです。
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また新しいモデルが出た…。もう何を使えばいいのか分からない

2026年の9月から10月にかけて、主要3社の最上位モデルが立て続けに入れ替わりました。OpenAIのGPT-6 Astraが9月3日、AnthropicのClaude Fable 5.1が9月1日、そしてGoogleのGemini 4 Argonが9月30日発表・10月13日に一般提供へと広がっています。

正直なところ、発表のたびに全部を追いかけるのは現実的ではありません。ただ、この3つは「何が得意か」の打ち出し方がはっきり分かれているので、自分の用途に当てはめる形なら一度の整理で当分もちます。料金・コンテキスト窓・得意分野の3点から並べてみます。

Gemini 4 Argonの一般提供で、何が変わった?

Gemini 4 Argonは2026年9月30日の発表時点では、米国政府機関とFairwind Program(サイバー防御の信頼されたパートナー向けプログラム)の参加者だけに提供されていました。一般の利用者には手の届かないモデルだったわけです。

それが2026年10月13日に広がりました。Gemini API(有料ティア)、Google AI Studio、Google Antigravity、Gemini app、Google検索のAIモードで使えます。対象はGoogle AI ProとGoogle AI Ultraの加入者で、Antigravityでの利用だけはUltra加入者に限られます。

Googleはこのモデルを「フラッグシップ推論モデル」と位置づけ、ソフトウェアエンジニアリング、数学・科学分野の問題解決、マルチステップのエージェント型ワークフロー(AIが複数の手順を自分で順に実行していく進め方)を強みとして挙げています。

3モデルの料金とコンテキスト窓はどう違う?

モデル提供元入力料金(100万トークンあたり)出力料金(100万トークンあたり)コンテキスト窓備考
Gemini 4 ArgonGoogle$2(〜2026/11/30、以降$4)$10(〜2026/11/30、以降$20)約104.8万トークン(入出力合計)導入価格は期間限定
Claude Fable 5.1Anthropic$10$50最大100万トークン(出力は最大12.8万)キャッシュ読込$0.25/100万、書込$12.50(5分)/$20(1時間)
GPT-6 AstraOpenAI$10$50100万トークン27.2万トークン超の長文は$20/$75、バッチは$5/$25

eesel AIがまとめた各社公式発表の料金をもとに作成(2026年10月時点、API料金)

上の表で目を引くのは料金差です。Gemini 4 Argonの導入価格は、他の2モデルの5分の1にあたります。ただしこれは2026年11月30日までで、以降は入力$4・出力$20になり、差は2.5倍に縮まります。

コンテキスト窓(一度にAIが読み込める文章量の上限)は3つとも100万トークン級で横並びです。トークンは文章を区切った単位で、日本語なら100万トークンはおおよそ文庫本10冊分を一度に渡せる規模だと考えてください。違いが出るのは出力側で、Gemini 4 Argonは出力上限が最大100万トークンと際立って大きく、Claude Fable 5.1は1レスポンスあたり最大12.8万トークンです。長大な文書をまるごと書き出させたい場面では、この差が効いてきます。

この表で比べていないこと

並べたのはAPI料金・コンテキスト窓だけです。ChatGPTやGeminiのアプリを月額プランで使う場合の料金、日本語での出力品質、入力データが学習に使われるかどうかの取り扱いは、この表の射程の外にあります。業務で使うなら、料金より先にデータの取り扱い規約を各社の最新のページで確認してください。また各社の価格・提供プランは数か月単位で動くため、ここは2026年10月時点の姿です。

得意分野はどこで分かれる?

🤔
どれも「最先端」って言ってるけど、違いなんてあるの?

3社が自社モデルの売りとして前面に出している分野は、実ははっきり違います。ここが選び分けの一番の手がかりです。

各社が打ち出している強み
  • Gemini 4 Argon(Google):ソフトウェア開発、数学・科学分野の問題解決、サイバー防御、マルチステップのエージェント型ワークフロー
  • GPT-6 Astra(OpenAI):コンピュータ操作(ブラウザ・アプリの自律操作、フォーム入力、CRM更新、情報検索、文書編集、データ分析、ソフトウェアテスト)、コーディング、サイバーセキュリティ、科学分野
  • Claude Fable 5.1(Anthropic):コーディングとナレッジワーク、長時間かかる問題解決タスク

GPT-6 Astraだけが「パソコンを代わりに触る」方向をはっきり掲げているのが特徴です。発表は2026年9月3日で、OpenAI社長のグレッグ・ブロックマン氏はこれを「世代的な飛躍」と呼びました。Claude Fable 5.1は2026年9月1日の発表で、Anthropicは「コーディングとナレッジワークで世界最先端」と位置づけています。

数字で見るとどうなる?

各社が公表している数値はベンチマーク、つまり同じ課題セットを各モデルに解かせて正答率を比べる試験の結果です。試験ごとに測っている作業が違うので、名前よりも「何をさせる試験か」で読むと差が見えてきます。

Googleが公開した比較表では、19項目中13項目でGemini 4 Argonが首位でした。同率だったのは1項目、CWE-bench v1(ソフトウェアにありがちな脆弱性の型を見つけられるかを測る試験)でGPT-6 Astraと並んでいます。劣後したのは5項目で、FrontierSWE v2(開発現場に近いソフトウェア課題を解かせる試験)、Terminal-bench 4.0とTerminal-Bench Science 0.1(コマンド画面の操作だけで作業を完遂できるかを測る試験。Science版は科学計算の作業を扱う)、PostTrainBench(学習を終えたモデルを後から調整する作業を扱う試験)、OSWorld-2.0(パソコンのデスクトップ操作をこなす試験)です。全勝ではなく、負けている領域が5つ明示されているのは、読み方として重要な点です。

Claude Fable 5.1側の数値では、Terminal-Bench-Science 0.1で52.6%(前モデルFable 5は24.7%)、Terminal-Bench 4.0で55.8%(同42.0%)と、前世代から大きく伸びています。GPT-6 AstraについてOpenAIが発表した値は、OSWorld 2.0(デスクトップ操作)で72.6%、DeepSWE v1.1(実務的なバグ修正を解かせる試験)で74.1%、ExploitBench(脆弱性を突く攻撃手順を組み立てられるかを測る試験)で100%です。

自社発表の数字は、そのまま横並びにできません

ここまでの数値はいずれも各社が自社で算出・発表したもので、第三者による再現・検証は限られています。特にExploitBench 100%のように差が大きい項目は、測り方の前提が各社で揃っているとは限りません。
社外の評価機関が同じ条件で各モデルを測り直して公開している指標がVals Indexです。そのDeepSWE v1.1(実務的なソフトウェア修正)では、Gemini 4 Argon 68.9%、Claude Opus 5.5 67.0%、Claude Fable 5.1 65.8%、GPT-6 Astra 63.1%(2026年10月時点)。同じDeepSWE v1.1でも、OpenAI自社発表の74.1%とは別の数字が出ます。

結局、どれをどんな人に?

自社発表の差は数ポイント程度の項目も多く、ベンチマークの順位で選ぶより「打ち出している方向」で選ぶほうが外れません。用途別に整理するとこうなります。

  1. 費用を抑えて大量に処理したいGemini 4 Argon。2026年11月30日までの導入価格なら入力$2・出力$10で、他2モデルの5分の1です。長い議事録やログをまとめて投げる使い方ほど差が出ます。12月以降は入力$4・出力$20になります。
  2. 長い文章を一気に書き出させたいGemini 4 Argon。出力上限が最大100万トークンで、マニュアルや仕様書のような長大な成果物を途切れさせずに出せます。
  3. ブラウザや業務ツールの操作そのものを任せたいGPT-6 Astra。フォーム入力やCRM更新といった画面操作を正面から掲げている唯一のモデルです。
  4. コードを書かせる・長時間の調べ物を任せたいClaude Fable 5.1。コーディングとナレッジワーク、長時間タスクに重心があります。キャッシュ読み込みが$0.25/100万トークンと安く、同じ資料を繰り返し参照させる使い方では一般的な利用で約25%、エージェント的な使い方で最大45%のコスト削減が見込めます。

自律的に動かすとき、どこまでが自分の責任?

3モデルとも「エージェント型」の作業、つまりAIが複数の手順を自分で順に実行する使い方を売りにしています。ここで分けて考えたいのが、どの操作が人の承認を経て、どの操作が経ないかです。

たとえばGPT-6 Astraが掲げるCRM更新やフォーム入力は、外部のシステムに書き込みが発生する操作です。読み取りと違って、間違えた場合に後から取り消せるとは限りません。業務に組み込むなら、外部への書き込み・送信・課金が発生する操作だけは承認を挟む設定にしておくのが現実的な線引きになります。

合わないケースもあります

最上位モデルは料金も処理時間も相応にかかります。定型のメール下書きや短い要約のような軽い作業なら、各社の下位モデルで十分なことがほとんどです。「新しい最上位が出たから乗り換える」は、長文処理や複雑なコード生成のように上位モデルでないと詰まる作業が実際にある場合にだけ意味があります。
また、2026年10月時点でGemini 4 Argonを使うにはGoogle AI ProまたはUltraの加入が必要です。無料の範囲で試せるモデルではありません。

出てきた結果は、どこを何か所見れば足りる?

どのモデルを選んでも、出力の確認は人の作業として残ります。ただ「最後は人が確認する」とだけ決めても手が動かないので、見る場所を絞っておきます。

長文の出力で、最低限見る4か所(おおよそ5分)
  • 固有名詞:人名・社名・製品名を本文から拾い、1か所ずつ原資料と突き合わせる
  • 数値と単位:金額・割合・日付。桁と単位が原資料と一致しているか
  • 冒頭と末尾の結論文:途中の論理をすっ飛ばした断定になっていないか、各1文
  • 外部リンク・引用:実在するURLか、引用元が示されているか

この4か所に絞ると、2,000字程度の出力なら5分ほどで一巡できます。全文を読み直すより、誤りが出やすい場所を定点で見るほうが時間あたりの発見率は上がります。

うまくいかないとき、どこを切り分ける?

モデルを変えても結果が良くならないとき、原因はモデル以外にあることが珍しくありません。順に切り分けます。

  1. 指示文の問題か同じ指示を短く区切って1つずつ渡してみる。分割したら通る場合は、指示の詰め込みすぎです。
  2. 渡した資料の問題か資料を減らして一部だけ渡す。一部なら正しく答えるなら、資料の量か形式(スキャン画像のPDFなど)が原因です。
  3. プランや機能の制限かGemini 4 ArgonのAntigravityでの利用はUltra加入者のみ、といったプラン条件があります。そもそも対象モデルが動いていないケースを確認します。
  4. モデルの不得意領域かここまで外して再現するなら、その作業がそのモデルの弱い領域である可能性があります。Googleの比較表でもGemini 4 Argonは5項目で他モデルに劣後しており、どのモデルにも穴はあります。
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全部を追いかけなくても、用途で当てはめればいいのか

モデルの世代交代はこれからも続きます。そのたびに全部を比べ直すより、「費用」「長文出力」「画面操作」「コードと調べ物」のどの軸が自分の仕事に効くかを一度決めておけば、新しい発表が出たときもその軸だけ見れば判断できます。知ってから決めれば十分です。

よくある質問

Gemini 4 Argonはいつから誰でも使えるようになりましたか?

2026年10月13日に提供が拡大され、Gemini API(有料ティア)、Google AI Studio、Google Antigravity、Gemini app、Google検索のAIモードで利用できるようになりました。対象はGoogle AI ProおよびGoogle AI Ultraの加入者で、Antigravityでの利用はUltra加入者のみです。それ以前は米国政府機関とFairwind Program参加者に限定されていました。

Gemini 4 Argon、GPT-6 Astra、Claude Fable 5.1で料金が一番安いのはどれですか?

2026年10月時点のAPI料金では、Gemini 4 Argonが100万トークンあたり入力$2・出力$10で最も安価です。これは2026年11月30日までの導入価格で、以降は入力$4・出力$20になります。GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1はいずれも入力$10・出力$50です。

3モデルのコンテキスト窓に差はありますか?

一度に扱える入力量はいずれも100万トークン級で、Gemini 4 Argonが入出力合計で約104.8万トークン、Claude Fable 5.1が最大100万トークン、GPT-6 Astraが100万トークンです。差が大きいのは出力側で、Gemini 4 Argonは出力上限が最大100万トークン、Claude Fable 5.1は1レスポンスあたり最大12.8万トークンとなっています。

各社が公表しているベンチマークの数値はそのまま比較できますか?

そのままの横並び比較には注意が必要です。公表されている数値の多くは各社が自社で算出したもので、第三者による再現・検証は限られています。実際、社外の評価機関が同じ条件で測り直すVals Indexの指標では、実務的なバグ修正を解かせる試験DeepSWE v1.1でGemini 4 Argon 68.9%、Claude Opus 5.5 67.0%、Claude Fable 5.1 65.8%、GPT-6 Astra 63.1%(2026年10月時点)となり、OpenAI自社発表のGPT-6 Astra 74.1%とは異なる値が出ています。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。