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カスタムAIボットの作り方は?GPTsとDifyの違い

2026年8月29日|いろは堂AI編集部
室内の白い机にノートパソコンとメモ帳、マグカップを置いた写真

画像出典: パブリックドメイン(Wikimedia Commons)

この記事の要点
カスタムAIボットは、AIモデル本体を作り変えるのではなく「役割の指示」と「参照させる資料」を外側から与えて専用化する仕組みです。ノーコードで作れるのはこの外側の部分で、GPTsなら対話だけで、Difyならモデルを選びながら組み立てられます。最初の一台は用途を一つに絞り、想定QAを10問ほど用意してから作ると失敗しません。
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「申請書ってどこにあります?」って、今月だけで5回聞かれた…毎回同じこと答えてる気がする

問い合わせの中身をよく見ると、種類はそれほど多くありません。置き場所、締切、書き方、例外のとき誰に聞くか。ほとんどがこの数パターンの繰り返しで、答える側は毎回ゼロから文章を打ち直しています。

この「答えが決まっている質問」だけを引き受けてくれる相手を作れるのが、カスタムAIボットです。プログラミングは要りません。ただし、作る前に理解しておきたいのは「AIの何を自分好みにしているのか」という部分です。ここを掴んでおくと、思った通りに答えてくれないときに、どこを直せばいいかが自分で判断できるようになります。

カスタムAIボットとは?モデルを作り変えているわけではない

「カスタムAI」と聞くと、AIそのものを自社用に作り直しているように感じます。実際に行われているのは、もっと外側の作業です。

ChatGPTのようなAIは、質問文を受け取って続きの言葉を予測する、という動作をしています。このとき読んでいるのは、あなたが今打った質問だけではありません。その手前に、目に見えない前置きの文章を一緒に読ませることができます。この前置きに「あなたは総務部のFAQ担当です。就業規則の範囲だけで答えてください」と書いておけば、AIはその役を引き受けたまま応答します。これがカスタムAIボットの正体です。

渡しているものは、大きく分けて二つです。

ノーコードのボット作りで実際に決めていること
  • 指示(インストラクション):誰として、何の範囲で、どんな口調で答えるか
  • 資料(ナレッジ):社内マニュアル、商品説明、想定QAなど、答えの根拠にさせるファイル

AIモデル自体は共有のものをそのまま使い、この二つだけを差し替えて専用機のように振る舞わせています。だからコードを書かずに作れますし、逆に言えば渡した資料に書いていないことは答えられません

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じゃあ資料を全部まとめて放り込めば、なんでも答えられるボットになる?

資料を増やすほど賢くなる、とはなりません。AIは質問を受けると、渡された資料の中から関連しそうな部分を探し出して読みます。資料が広く雑多になるほど、この「探す」段階で見当違いの箇所を拾う確率が上がります。就業規則と製品カタログと議事録を一つのボットに同居させると、休暇の質問に製品の記述が混ざる、という事故が起きます。用途を絞るのは、遠慮ではなく精度の話です。

GPTsとDify、最初の一台はどちらで作る?

ノーコードで作る場合、入り口になるのは主に二つです。

GPTsDify
作り方ChatGPT内で対話しながら作成。作りたいものを伝えると名前・説明・指示の案が自動生成されるアプリ作成→モデル設定→プロンプト入力→テスト→公開の流れで組み立てる
使えるAIモデルOpenAIのモデルのみGPT系・Gemini系など複数から選べる
外部サービス連携限定的オープンソースで自由度が高い
無料で試せる範囲ChatGPTの利用環境内Sandboxプラン:メッセージクレジット200・チーム1名・アプリ5個・ナレッジ文書50個・ストレージ50MB

Difyおよび各サービスの公表情報をもとに作成(Difyの料金は2026年9月時点)

判断の分かれ目は、「一人で使うか、チームの仕組みとして置くか」です。自分の作業を軽くしたいだけなら、対話だけで組み上がるGPTsのほうが早く形になります。窓口として複数人が使い、後から資料を差し替えたりモデルを選び直したりする前提なら、Difyのほうが手を入れやすい構成です。

Difyの有料プランは、年額$590のProfessional(月間メッセージクレジット5,000・チーム3名・アプリ50個・ナレッジ文書500個)、年額$1,590のTeam(月間メッセージクレジット10,000・チーム50名・アプリ200個・ナレッジ文書1,000個)が用意されています。年払いで17%割引となり、オープンソース版のCommunityは無料でコア機能を制限なく使えます。まずSandboxやCommunityで一台作ってみて、実際の質問件数が見えてから移行を考えれば十分です。

最初の一台の作り方:想定QAから逆算する

いきなり作成画面を開くと、たいてい手が止まります。先に紙の上でやることがあるからです。

  1. 用途を一つに決める「社内の経費精算に関する質問だけ」のように、範囲を一文で言い切れるところまで狭めます。言い切れないなら、まだ広すぎます。
  2. 想定QAを10問書き出す実際に聞かれた質問と、自分がいつも返している答えをそのまま書きます。これがボットの教科書になります。作文する必要はなく、過去のメールやチャットからの転記で構いません。
  3. 指示文を書く「あなたは◯◯の担当です」「渡された資料に書かれていないことは推測せず、担当者に確認するよう案内してください」の二点は必ず入れます。後者がないと、AIは知らないことも埋めて答えます。
  4. 資料として読み込ませる想定QAとマニュアルをナレッジとして登録します。GPTsならファイル添付、Difyならナレッジベースへの登録にあたります。
  5. 自分で意地悪な質問をしてテストする資料に載っていない質問、言い回しを変えた質問、二つの話題をまたぐ質問を投げます。ここで崩れ方を見ておきます。
  6. 公開して、答えられなかった質問を回収する完成品として出すのではなく、答えられなかった質問を集める仕掛けとして出します。それが次に足す資料になります。

手順の中で効き目が大きいのは、2番目です。想定QAを先に書いておくと、指示文もテスト項目もそこから自動的に決まります。逆にここを飛ばすと、「なんとなく賢そうだけど肝心なことは答えない」ボットができあがります。

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10問なら今日中に書ける!

書き出す作業自体は30分ほどで終わります。時間がかかるのは、その10問が本当によく聞かれる10問かを確かめる部分なので、心当たりのある質問から埋めていけば十分です。

思った通りに答えないとき、どこを疑う?

公開後にずれた回答が出たとき、原因はだいたい三つのどれかに収まります。しくみの上でどこが担当している部分かが分かると、直し先が絞れます。

資料に答えが載っていない

最も多いパターンです。AIは資料内に根拠が見つからないとき、学習済みの一般知識から埋めようとします。指示文に「資料にない場合は答えず案内する」と明記しているかを先に確認します。

資料はあるが、探し当てられていない

質問の言葉と資料の言葉が違うと起きます。社内で「精算」と呼んでいるものが資料上は「経費申請」と書かれている、という食い違いです。想定QAに実際の言い回しを入れておくと、この橋渡しになります。

範囲が広すぎて混線している

複数テーマを一台に詰めた場合です。この場合は指示文をいじるより、ボットを分けたほうが早く解決します。

向いていないケースもあります

答えが状況によって変わる質問、判断や責任が伴う質問は、ボットに任せる対象から外してください。「この経費は通りますか」のような可否判断、個人の事情が絡む相談、契約や労務の解釈は、確認先を案内する役までに留めるのが安全です。また、社内資料を読み込ませる際は、利用中のAIサービスが入力内容を学習に使わない設定になっているか、事前に確認が必要です。個人情報を含む資料は特に慎重に扱ってください。

ボットの価値は、難しい質問に答えることではありません。答えが決まっている質問を引き受けて、人が判断すべき質問だけを人に回すことにあります。この線引きをはっきりさせたボットほど、長く使われます。

よくある質問

カスタムAIボットを作るのにプログラミングの知識は必要ですか?

必要ありません。GPTsはChatGPT内で対話しながら作成でき、作りたい内容を伝えると名前・説明・指示の案が自動生成されます。Difyもノーコード/ローコードのプラットフォームで、アプリ作成→モデル設定→プロンプト入力→テスト→公開という画面操作の流れで構築できます。

GPTsとDifyの違いは何ですか?

GPTsはOpenAIのモデル限定で、連携できる外部サービスも限定的です。Difyはオープンソースのプラットフォームで、GPT系・Gemini系など複数のモデルを裏側に選べ、マニュアルや業務ルールを読み込ませたチャットボットを構築できます。一人で使うならGPTs、チームの仕組みとして運用するならDifyが向いています。

Difyは無料で使えますか?

2026年9月時点で、Dify CloudのSandboxプランが無料で提供されており、メッセージクレジット200・チーム1名・アプリ5個・ナレッジ文書50個・ストレージ50MBの範囲で利用できます。また、オープンソース版のCommunityは無料でコア機能を制限なく使えます。有料プランは年額$590のProfessionalからで、年払いで17%割引となります。

カスタムAIボットが失敗しやすい原因は何ですか?

用途を広げすぎることです。複数のテーマの資料を一つのボットに同居させると、質問に関連する箇所を探す段階で見当違いの資料を拾い、回答がずれます。社内FAQ、特定商品の問い合わせ対応など狭い用途に絞り、想定QAを用意してから試作・テスト・公開の順に進めるのが共通して推奨される手順です。

※記事で使用した内容・数値は変更される場合があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。